建築家でありアーティストでもあるル・コルビュジエ、およびル･コルビュジエの建築を撮影した写真家であるルシアン・エルヴェのポートフォリオ集「アンサンブル」。このポートフォリオ集はル・コルビュジエによる絵画作品とルシアン・エルヴェによる写真作品の集大成となっております。

ルシアン・エルヴェは、もともとファッション・フォトやフォトジャーナリズムの世界にいましたが、工事中に撮った《マルセイユのユニテ・ダビタシオン》の写真を見たル・コルビュジエが「建築家の魂をもった写真家」と称賛したときから、彼の「専属カメラマン」のような存在になりました。

ル･コルビュジエは数多くの優れた建築を残すとともに、アーティストとしても絵画、彫刻、タピスリー、エマイユ、版画など、数多くの美術作品も制作しており、総合芸術を目指したアーティストでした。

建築のどこをどう切り取って撮ったかで、写真家がその建築の何を見、何を表現したいのかが浮かび上がります。この想いと建築家の狙いが合致したとき、建築家と写真家の間には幸せなアンサンブルが生まれます。建築家の魂をもった写真家がとらえた建築と、画家でもあった建築家が描いた絵画の抽象的空間の中に、ふと現れる温もりのアンサンブルをお楽しみください。

「白い箱」と形容されることもあるル・コルビュジエの建築は、実際には白いだけの建築は一つもなく、白さを引き立てる様々な色が施されています。今回のボックスはル・コルビュジエ・カラーの内、5種類の色で用意され、作品を包み込むボックスにル・コルビュジエの「生命のしるし」が刻されています。