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Hiroshi Sugimoto 杉本 博司

1948年東京に生まれる。立教大学経済学部卒業後、1970年に渡米し、ロサンジェルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学ぶ。1974年にニューヨークに移り住み、現代美術作家として活動を開始する。

 

 そのかたわらで古美術商を営んでいた時期もあり、日本の古美術に通じるのみならず、自身の創作にインスピレーションを与える人類誕生以前の化石から、旧石器時代や縄文時代の考古学的資料、仏教美術や神像、古書画、隕石にいたるまで、時空を超越する膨大なコレクションは、作品世界と相対を成す。

 主なるテーマである人間の記憶の古層と時間を現像化する取り組む作品は、その明確なコンセプトと卓越した技術が高く評価され、メトロポリンタン美術館(ニューヨーク)、テートモダン(ロンドン)、ナショナルギャラリー(ロンドン)、東京国立近代美術館(東京)、スミソニアン博物館(ワシントンD.C)といった世界中の数多くの美術館で所蔵されている。

 

 主な作品には、《Dioramas》(1976–)、《Theaters》(1978–)、《Seascapes》(1980–)、《Architecture》(1997–)、《Portraits》(1999–)、《Conceptual Forms》(2004–)、《Lightning Fields》(2008–)がある。

 近年は写真表現にとどまらず、『苔のむすまで』、『現な像』(ともに新潮社刊)に代表される執筆や建築へと活動を広げ、2008年には建築設計を手がける新素材研究所を開設。伝統芸能の再考にも意欲的に試み、2001年にはディアセンター(ニューヨーク)で能舞台の企画演出を手がけ、2011年には伝統芸術の保存と教育普及を目的とした公益財団法人小田原文化財団を設立。2013年にはグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)で三番叟公演『神秘域』を、同年、構成・演出・美術・映像を担った杉本文楽のヨーロッパ公演(マドリード、ローマ、パリ)を成功裡に終える。

 1988年毎日芸術賞、2001年ハッセルブラッド国際写真賞、2009年高松宮殿下記念世界文化賞、2010年秋の紫綬褒章を受章。2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ受勲。

PORTFOLIO / PRINTS

  • Hiroshi Sugimoto

    Pre-Photography Time-Recording Devices

    杉本 博司

    Pre-Photography Time-Recording Devices

    ……「前写真、時間記憶装置」とは化石のことである。もしこの技術をアートと呼ぶならば、これは間違いなく世界最古のアートと言えるだろう。……私は写真とは現在を化石化する行為であるということに気づいた。 ------杉本博司
    石のプラチナプリントシリーズは、杉本のコレクションと写真によって生まれた作品です。
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  • Hiroshi Sugimoto

    Book + Folio 『ON THE BEACH』Limited Edition Portfolio of Single Platinum Print

    杉本 博司

    「Book + Folio(ブック・フォリオ)」『ON THE BEACH』

    このBook + Folioには、2014年4月にIMAから出版された杉本博司の写真集『ON THE BEACH』と、アマナサルトが制作した世界最高レベルのプラチナプリント1点がセットになっています。 収められているプラチナプリントは、「ON THE BEACH」シリーズにはないスペシャルエディションで、杉本博司直筆サインが入っています。
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  • Hiroshi Sugimoto

    ON THE BEACH

    杉本 博司

    ON THE BEACH

    杉本博司の未発表新作「ON THE BEACH」。 「1990年、私はニュージーランドの海を巡っていた。人口の少ないこの南半球の海には、船影も無く岸には人影も無い。ある日私は美しい砂浜に点在する不思議な物体群を見つけた。……私は私のカメラを水平線に向けるのを一時止めて、この砂上のオブジェ群に焦点を合わせた。私は誰もいない砂浜で孤独な作業を続けるうちに、文明は終わってしまったのではないか、という錯覚にとらわれた。形あるものが腐食して行く様は凄まじいと同時に美しくもある。」———杉本博司『時の物差し』より
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