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Daido Moriyama 森山 大道

1938年、大阪府で生まれる。父の転勤で各地を転々としながら育ち、17歳で高校を中退。商業デザインに携わるが、カメラマンに憧れて1959年に岩宮武二のスタジオに入り写真の基礎を学ぶ。1961年、東松照明、細江英公、奈良原一高らが共同で作った写真エージェントVIVOで働くのを夢見て上京。しかしVIVOは解散が決まっていたため参加が出来ず、VIVOの解散後に細江英公のアシスタントとなる。細江英公が三島由紀夫を撮った代表作『薔薇刑』の撮影に立ちあい暗室作業を担当するなど、貴重な3年間を過ごす。
 その後、結婚を機に1964年に独立。作品を『カメラ毎日』『アサヒカメラ』に発表。1967年、第11回日本写真批評家協会新人賞受賞。翌年の1968年、ブレ・ボケ・アレと称される前衛的写真の先陣を切り『にっぽん劇場写真帖』を発表。ジャーナリズムでもなく、コマーシャルでもないパーソナルな写真が話題となる。同年、中平卓馬、高梨豊、多木浩二、岡田隆彦らによって創刊された写真同人誌『プロヴォーク』の2号目より参加。1972年には、『狩人』『写真よさようなら』などの写真集を出版。しかし『写真よさようなら』刊行後に長いスランプに陥ってしまう。
 1983年、雑誌『写真時代』から連載を開始した「光と影」シリーズにより、「写真とは何か」という問いに答えを見出し、再び写真を撮る日々を取り戻す。それらをまとめた写真集 『光と影』シリーズが高く評価され、日本写真協会年度賞受賞。80年代以降に自分の写真スタイルを再生し、90年代に『Daido Hysteric 三部作』を発表。この「三部作」により、森山大道は街を歩いて、そこで目にしたものを写真にしていくスタイルが確立したと評される。
 1999年、サンフランシスコ現代美術館で個展の開催を皮切りに2年に渡る全米巡回の回顧展や、2003年にはカルティエ現代美術館で個展など、海外でも大規模な展覧会を多数開催している。2012 年にはテート・モダンにてウィリアム・クラインとの展覧会「William Klein + Daido Moriyama」が開催され、ニューヨークと東京の現代の都市生活を両者の写真を通して提示した。2013年初頭には河出書房新社から『実験室からの眺め』を出版。世界最高レベルのプラチナプリント施設がある東京のアマナサルトにて、マスタープリンター久保元幸が『実験室からの眺め』の写真をプリントした。これら森山大道のブレ・ボケ・アレと素粒子からなる表現主義的作風は、次世代の写真家を中心に多大な影響を与えるなど、いま改めて高く評価されている、日本を代表する写真家の一人である。

PORTFOLIO / PRINTS

  • Daido Moriyama

    Book + Folio 『View from the Laboratory』 Limited Edition Portfolio of Single Platinum Print

    森山 大道

    「Book + Folio(ブック・フォリオ)」 『実験室からの眺め』

    森山大道のブレ・ボケ・アレと素粒子からなる表現主義的作風がプラチナプリントと融合した新たな表現は、世界中のコレクターから注目されています。2013年4月、森山の写真集『実験室からの眺め』が発行されました。 この写真集は、 […]
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  • Daido Moriyama

    View from the Laboratory

    森山大道

    実験室からの眺め

    2013年4月、写真家、森山大道の写真集「実験室からの眺め」が発行された。 この写真集は、1827年ニセフォール・ニエプスによって世界で初めての写真が撮影された、フランス中部、ブルゴーニュ地方のサン・ルゥ・ド・ヴァレンヌを訪れた際、撮られた写真である。この地の訪問は森山氏にとって長年の祈願であり、アマナサルトはこの貴重な写真をプラチナ&パラジウムプリントで表現することに成功した。
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